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ピックアップ船長さん

  • 更新: 2009年2月 5日 15:11

vol.34 【ポケット丸】 三重・志摩片田 平賀矩行船長

朝から元気な声で初めての人にも受けは抜群
釣り人に合わせたアドバイスで再度行きたくなる!?


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 早朝、待合所の喫茶ポケットで女将さんからコーヒーを呼ばれていると、「おはよう!」と元気な声で姿を見せた。初めてココを訪れる釣り人も、船頭の元気のよい明るさで緊張が解ける一瞬だ。
 ポケット丸の平賀矩行船長。沖へ出てもその気遣いはかわらない。オコゼ、ガシラを狙った流し釣りでは、流すポイントをかわる度に「少し粗いよ」「かけ下がっているから底取り直して」などと釣り人に声を掛ける。また、自分の釣りを確立しているベテラン揃いの時は、逆にアドバイスは必要最低限。常に釣り人に合わせた姿勢で接してくれる。
 そんな船頭の人柄にひかれてか、この船にはリピーターが多い。その日の釣果は潮や天候、釣り人の腕!?にも左右されるが、帰港すればまた喫茶ポケットに戻って、ほっとひと息。よく釣れてもそうでなくても、反省会を兼ねた楽しい会話に華が咲く。
 そして帰り際には「次いつ空いてるの?」。要望次第でいろいろな釣りにも出るが、現在の主な狙い物はマダイとオコゼ&ガシラの根魚。ともに片田沖のほんの30?40分のポイントなので、釣り場が近いのも魅力だ。

 ■三重・志摩片田
 ポケット丸 (tel:0599-85-4953)



vol.33 【知々丸】 兵庫・坊勢島/姫路港 上谷正仁船長

物静かで口数少ないまじめな船長
実は笑顔が絶えない冗談好き
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ポイントへ向かう船中、話しかけると「ウン、ウン、そうやね」とおとなしめに返事が返ってくる。ポイントに着くとテキパキと帆を張り流し釣りの準備をする。アナウンスは「はいやりましょ。水深30m、根は20m」と最小限にとどめている。非常に口数の少ない船長だな、と思っていたが、実は話しだすと冗談ぽい話が次々に飛び出てくる。親父ギャグもご馳走サンって感じなのだ。
 自宅は家島諸島の坊勢島、釣り人は姫路港で乗り降りする人気の遊漁船、知々丸の上谷正仁船長。元々は職漁師だったのが7、8年前に遊漁船を始めた。
 地元が家島諸島の中でも活気のある坊勢島だけに行動範囲も広く、西は小豆島まで走る。現在はメバルやガシラなど中心に小豆島や家島諸島周辺へ出船することが多いそうだ。
 周辺海域の細かな魚礁の位置なども非常に詳しく、これから四季を通じて、魚種ごとにいろいろなバラエティーに富んだ釣りをさせてくれるハズと感心させられる。一見無口な船長ながら釣り人に人気の秘密はこの辺りにありそう!?

 ■兵庫・坊勢島/姫路港
 知々丸 (tel:0735-62-6197)



vol.32 【オーシャン串本】 和歌山・串本 蔵前敦男船長

見回りだけでほぼ1日帰港しないほど
釣ってもらいたい信念でアドバイス
       


                                                             

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 会った瞬間に気さくで釣り好きの船長であることがすぐに分かる。和歌山・串本のオーシャン串本の蔵前敦男船長がまさにそんな船長である。オーシャン串本を前のオーナーから譲り受けて2年と少し。
 カセをきれいに修理し、串本のカセに特徴的なカセ後部にあるトイレも水洗にした。
 「ウチの売りはカセが非常にきれいなこと。それと、きてくれたからには、しっかりしたアドバイスで魚を釣ってもらうってところかな」と言う蔵前船長は、串本の出身で、元々釣り好き。
 古くからカセで天ビンフカセ、完全フカセ、ウキでのマダイ狙いをはじめさまざまな釣りを楽しんできたと言う。そんな経験から釣り人へのアドバイスも的確だ。
 見回りの際、釣れていない人がいれば親船を横に着けて、カセに上がり、面と向かって釣りのアドバイスをする。その見回りもひん繁で1日に6、7回は回っていて、保有する5隻のカセを回っている。それでだけで、日中はほとんど港に帰ってこないほどだと言う。
 電話でも「今は状況厳しいよ。釣れないとは言わないけど、難しい釣りになると思うよ」と問い合わせの釣り人に率直に応えていた。
 「食いが渋いモンは渋い。ありのままを話しすることにしてるんですよ」と言う蔵前船長の人柄に惚れた常連も多いと言う。

 ■和歌山・串本
 オーシャン串本 (tel:0735-62-6197)



vol.31 【みす丸】 和歌山・白浜湯崎 三栖敏夫船長

創業25、26年!温泉街の一角から出港する老舗
釣れない人にはとことん助言、
釣れる人は見守り、時には冷やかし...
       


                                                             

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「今年はマダイがええね。いっぺん釣りにおいでよ」と電話口で元気な声が聞こえる。実際に会ってみると、電話の声そのものの、非常にきびきびしたおじいちゃん船頭と言えば失礼か。
和歌山・白浜の温泉街の一角、湯崎港から出船するみす丸の三栖敏夫船長は、白浜に生まれ白浜に育った、根っからの「湯崎っ子」と言う。遊漁船の歴史は古く、オープンしてすでに25、26年という老舗なのだ。
 釣りの最中も操舵室から笑顔をのぞかせて、「掛かってるか? 何や対違うんかいな」と大きな声で話しかけてくれる。それでいて、釣れない人がいると、すぐさまチェックに入る。
 「そのカゴはオキアミが出にくいからココをこう曲げてやってみて」とその場でできる工夫をアドバイス。それでダメな場合は船長の仕かけにかえたりと、釣り人が釣ってくれるまではこと細かにアドバイスを送ってくれる。
 逆に釣れている人にはニコニコと笑顔で声を掛けたり、冷やかしを入れたりしながら好き勝手に釣らせてくれる。そんな、細かな中にものんびりしたムードが漂う船上の雰囲気を作り上げるのが非常にうまいのだ。
 だから、みす丸に通う常連も乗りのよい優しい人が多い。「釣れても釣れんでも定期的にみす丸に乗ってます」と言う人が多いのだ。まるで定期的に船長に顔を見せ、船長と話をするためにみす丸へ向かう。そんな常連さんに囲まれて、始めて訪れる人もすぐに仲間となってしまうのだ。

 ■和歌山・白浜湯崎
 みす丸 (tel:0739-43-0228)



vol.30 【郡家丸】 淡路島・郡家 森田幸三船長

釣り人の「何か」に応える知識と技術を持つ
お客さんとの会話で状況判断し即行動に移す
                                                            081218gungesencho.JPG    「おーい、アタリ続いてるかあ」と操縦席から顔を出し、真剣なまなざしでへ先で竿を出すこちらへ声をかける。「アタリはありますよ」と答えると「うんうん」とにこやかな顔が窓から見えなくなった。すぐさまトモのほうで頭が見え隠れする。一見、ぶっきらぼうなようでいて、乗船した釣り人からの情報を得て釣況を判断。で、食いが悪いと見るやすぐさま移動を決断する。
 理想的ではあるがなかなか実行に移せないことをいとも簡単にやってのけるのが淡路島・郡家丸の森田幸三船長だ。関西では珍しく、古くからショウサイフグを釣らせている船長だ。
 「親しい釣り人に『何か珍しい釣りモノないか』と言われてなあ。まあ、釣りの面白さには欠けるけどフグやったら」と始めたのがきっかけだそう。
 また、一見頑固そうにも見えるが、釣り人の「何か」と言う要望に応えて、常に新しい釣りを提供してくれる。たとえば現在でもメインのショウサイフグに半夜のメバル、ノマセのハマチ、ヒラメなどなど「この季節だからコレ」と言う釣りモノにこだわらず「こんな魚やったらよう釣れるけど行ってみるか」となる。その上で、その釣りすべてにおいてポイントや釣り方などに詳しいのだから驚かされる。

 ■淡路島・郡家
 郡家丸 (tel:0799-85-2357)



vol.29 【かるも丸】和歌山・栖原 佐藤友則船長

中紀の船カワハギならおまかせ!
いち早く取り入れ専門の常連も多いぞ
karumosencho.jpg     「冬場はガシラやヒラメ、ソイなんかの根魚を狙ってたんよ。それがあんまり釣れんようなって、何かほかのターゲットは?と考えたのが始まりかな」とカワハギ狙いの船上、かるも丸のキャビンで話してくれたのは佐藤友則船長だ。
 関東では残暑が続く秋の入り口辺りからシーズンが開幕する、船釣りの代表格と言ってもよいカワハギ。しかし、関西ではまだまだ専門に狙う船は少ない。そんな船のカワハギ釣りを始めて10年あまり。根魚を釣らせていたから、魚礁などの位置はある程度詳しかった。
 それでも船を流す微妙なラインなど、根魚とは違った釣り方が必要なカワハギ釣りだけに、常連にもいろいろと手伝ってもらい、釣り方はもちろん、船の流し方などを研究したそうだ。
 「実績のある釣り場を回って、最後のほうはやったことがない魚礁周りで試し釣りをしたりして...。そうやってポイントを増やしてきたんよ」と話す佐藤船長。そして現在は、和歌山で船カワハギと言えばかるも丸と言われるほどに認知されてきた。カワハギ専門での出船が安定しているからカワハギ釣りの常連も多く、関東方面で活躍する大阪出身のカワハギ釣りトーナメンターもここで腕を磨いた人が多い。
 息子の祥多船長は現在、同港で磯や筏への渡しをする。磯や筏のシーズンオフとなる冬場には乗合船にも乗るそうで「そろそろ(乗合船と渡しを)入れ替わらんとあかんなあ」と笑顔で話してくれたが、常連の期待は大きくまだまだその話は先のことのようで...。

 ■和歌山・栖原
 かるも丸 (tel:0737-62-3527)



vol.28 【釣り船つるぎ】徳島・鳴門亀浦 西上卓志船長

基本はエサ釣りながら好奇心と研究心で
タイラバになど新しい釣りを取り入れる
  081202turugisencho.JPG    急潮、渦潮で知られる鳴門海峡周辺をフィールドに乗合船、仕立船を営むのが釣り船つるぎ。つるぎの西上卓志船長によると開業は98年。お父さんは職漁師で、遊漁船を始めたのは息子さんの卓志船長だった。営業開始時、つるぎはこの亀浦でもっとも新しい遊漁船となった。
 「新しく始めるんですから何かほかと違うことをしないと釣り人の目が向かないと思って今もやってます」と言う西上船長の元にはエサ釣りの人はもちろん、ルアー釣りの人も集まる。
 それは今でこそ知名度がアップしてきたタイラバやマダイのジギングなど、新しい釣りをいち早く取り入れたことも理由のひとつ。西上船長は「基本はエサ釣りなんですけど、マダイのジギングやタイラバなどは周辺ではおそらく最初だと思います」と話す。最初はエサ釣りの人のタックルにジグを結んで、釣り方を教え、釣ってもらったりしたのが始まりだとか。
 今ではオールマイティーに釣りをさせてくれることで、人気の乗合船となったが、胴突き仕かけに青イソメやギジで釣れる時にはそれを優先する。ジギングやタイラバなどのほうがよい時にはそちらをする。
 また、ノマセ釣りなど周辺ではあまりやらなかった釣りを始めるなど、季節や状況に合った釣りをどんどんさせてくれるのだから人気があるのは当然。しかし、裏にはその釣りを習得している西上船長の好奇心と研究心があるからなのだ。

 ■徳島・鳴門亀浦
 釣り船つるぎ (tel:088-687-0598)



vol.27 【河合釣船】兵庫・舞子漁港 河合伸仁船長

朝から元気に何でもテキパキ仕事をこなす
唯一許してくれないのは船長の写真撮影
081125kawaihune.JPG   朝からちゃきちゃきっとした返答が船長から返ってくると、非常に気持ちがよいもの。そんな気持ちにさせてくれるのが舞子漁港から出港する河合釣船の河合伸仁船長だ。釣りの最中もあっちに行ったりこっちへ来たりと、体が軽やかに動くのに驚かされる。
 その動きはすべて釣り人の様子を見るためのもの。釣り人に退屈させないための判断もスゴイ。
 たとえばアタリが止まって「あー、そろそろ釣れなくなったなあ」なんて思っている矢先、そんな釣り人の心理を読むかのように移動する。またはターゲットをかえて次の展開へと進めるのだから、その気配りには感心させられる。
 ただし、何かを聞くと返事は非常に素早くて短い。せっかち? 気が短い? そんな性格がすぐに見て取れるのだが、常連が非常に多いのも船長の人柄によるものだろう。
 「基本的に船の上で周りに迷惑がかからんかったら、どんな釣りをしてても放っておいてあげるんよ」と話す。それが分かっている常連も多くて、たとえばウマヅラハギ釣りの船中、1人だけシラサエビを持ち込んでメバル釣りをする人がいた。
 「あの人は?」と聞くと「ああ、メバル釣りするねんて。ははは」なんて笑って返事が返ってきた。「ウチの船では、何か後ろのほうで1人だけ違う釣りをするなんて人も多いんよ」とも。
 そんな河合船長だが、唯一許してくれないのは写真。カメラを向けると即答が返ってきた。「いや、オレはどこにも顔写真出してないねん」と。

 ■兵庫・舞子漁港
 河合釣船 (tel:078-783-8687)



vol.26 【谷口丸】和歌山・加太港 谷口良寛船長

釣り人に合ったギジエを渡すほど
こだわり持つ信頼の厚い船長
  katatanigutisencho.JPG                                                                「そやなあ、ウチの売り言うたらやっぱりギジかな」と話すのは和歌山・加太港、谷口丸の谷口良寛船長。この道に入って15、16年が経とうとしている現在43歳の元気な船長だ。現在は兄弟で「谷口丸」と「Taniguchimaru」の2隻で出船。
 まず最初に親父さんから引き継いだ谷口丸に乗っていたのが良寛船長。その3年ほど後にお兄さんが谷口丸に乗るようになった。そこで新しく「Taniguchimaru」を就航させたのが13年ほど前。加太で生まれ育ち、親父さんの手伝いで船に乗ったのは19歳の時。それから20年以上も加太の海に出ているのだから、詳しいはずだ。
 その船長のこだわりがギジ。加太で独特のギジと言えば古くから親しまれているビニール片。谷口船長の手元には色が少しずつ違ったギジエが置いてある。実は釣りにくる人の釣り方をよく見ていて、それに合ったギジエを渡すのだという。
 「たとえば標準的な色があったとして、この人が巻き方が速いからちょっと薄めの色を渡そうとかって考えるんよ」。初めての人はもちろん分からないが、そんな気遣いで釣り人と接するから常連も非常に多いし、非常に信頼されているのがよく分かる船長なのだ。

 ■和歌山・加太港
 谷口丸 (tel:073-459-0353)



vol.25 【宏漁丸】三重・国崎 橋本和郎船長

元気ハツラツで気遣いある船長
1人の爆釣より全員の釣果目指す
koryomarusencho.JPG      「元気ハツラツー」と言うイメージがピッタリの船長がいる。それが三重・国崎の宏漁丸の橋本和郎船長だ。話をする、アドバイスをするなんて時も「ガハハハッ」と大笑いが後に付く。仕かけがオマツリしても操舵室から飛んで出ていって絡みを直した後は「すいませんなあ」と大声で釣り人に声を掛ける。そんな声を掛けられたら、絡んでしまった釣り人も気を悪くせず、船上は笑顔であふれかえる。
 豪快でありながらも、非常に気遣いのある船長なのだ。納竿前になると釣り人1人1人に話しかけ、釣果を聞いてまわる。釣果を把握するだけではない。実は釣れている常連に交渉して、釣れていない人に魚を分けてもらうこともよくある。
 「1人が爆釣しても仕方ないんよ。皆が釣れるようにするのが船長の仕事」と言い切る。
 常連もよく分かっていて頑張って釣ったら「あの右舷の人、あまり釣ってないんちゃう。魚あげんでエエか」と聞いてくるほど。
 国崎地区は最近、人気が上昇してきた乗合船基地なのだ。それだけに、船長の人となりが釣り人の集客にもつながる。橋本船長のような船長が集まって、いい意味で競争すれば、その地区自体に人気が出てくるのだろうな、と思わせてくれる船長だ。

 ■三重・国崎
 宏漁丸 (tel:0599-33-6806)



vol.24 【八百富丸】和歌山・串本町大島 冨田篤若船長

無口と思いきや人当たりよい2代目船長
父親船長から学び次代に備える
                                    
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       串本大島のカセでは、秋を迎えてマダイやハマチが絶好調。冬場にはアオリイカも楽しみなカセ釣り場である。串本大島の大島港で、親子2代でカセ釣りを営業するのが八百富丸だ。
 早朝、出船の準備をするのが若船長の冨田篤船長。そこに串本の海を知り尽くしたお父さんの正臣船長がやってくる。正臣船長は饒舌でいろいろな情報を短い航程の中で話してくれ、その日の条件に合わせたポイントにカセをかける。
 息子さんの篤船長は逆に無口で一生懸命お父さんの手伝いをしていると言った感じだが、見回り船以降は篤船長がすべて任される。見回りでは当日のあちこちの状況を手早に伝えてくれ、ちょっとした釣りのアドバイスも送ってくれる。
 無口だと思っていたが、帰りにはニコニコといろいろな釣りの話題が飛び出てくるところは「やはりお父さんの血を受け継いでいるのだなあ」と思わされる。父にはまったくかなわない、と言うがそれでもいつかは篤船長の時代がくる。その時のために、父親から出来うる限りのことを学ぼうと必死なのが伝わってくる。

 ■和歌山・串本町大島
 八百富丸(tel:0735-65-0016)



vol.23 【幸得丸】三重・志摩片田 竹内得泰船長

几帳面ながら楽しい話が目白押し
釣りにもめちゃ詳しい愉快な船長            
                   
 

0891015kotokusencho.JPG      取材時、停泊する船の前を通りかかると、こちらに向かって大きく手を振っている人がいた。それが志摩・片田港から出船する竹内得泰船長だった。その船長の名前の1字を取って幸得丸。
 地元の出身で元は真珠養殖業を営んでいたという。遊漁船を始めて10年ほど。とはいえ、地元で海に密着した仕事をしていたのだから、この辺りの海に詳しいのも納得である。
 ほかの釣り船とはまったく違う方向へ出船して、ひたすら自分のポイントを作って釣らせてくれたりと、竹内船長ならではのこだわりも多い。その例が先日取材で連れて行っていただいたポイントだ。そこは今年8月から寸分の狂いもなく攻めているポイントで、まさに飼い付けているようなモノ。
 爆発するほどは釣れないかもしれないが安定した釣果が売りだ。また、同じポイントを攻めることで状況に応じた釣りをさせてくれる。
 釣りには非常に詳しく、同じポイントでもウキ流し釣り、天ビンズボなどでそれぞれにタナの設定や釣り方を伝授してくれるのだ。
「よく怒る船長いるけれど、僕は時々アドバイスをして後は楽しく話でもしながら釣ってもらうのがいいんですよ」と言うだけあって、いろいろな話題が飛び出す。釣れない時間帯などはずっと船長が話しているくらい。
 釣り人の釣果も手帳にきっちりと書き込んでいる。その手帳を見せてもらったが、本当にこと細かに書かれている。きっと竹内船長の大切なデータとして、役立っているのだろう。
 現在はアカイカ釣りも終わり、マダイやメジロ、ヨコワが好シーズンを迎える。

 ■三重・志摩片田
 幸得丸(tel:0599-85-2904)



vol.22 【フィッシング隼】和歌山・串本町大島 吉田隼人船長

今年で24歳の超若手船長
物腰の柔らかさで釣り人受け抜群 fishinghayabusasencho.jpg      
                 
 

 
   「マダイはもちろんですが、今年はカワハギとアオリイカに力を入れていきますよ。カワハギはきちっと飼い付けしますし、アオリイカは例年より少し遅れていましたが、ようやく釣れだしました」と話すのは和歌山・串本大島の田代港から出船するフィッシング隼の吉田隼人船長。
 昨年2月にオープンしたばかりの新しい船宿だが、それもそのはず、吉田船長は今年で24歳の若さだ。若いが物腰が低くて釣り人からも親しまれている。元々、実家は串本で養殖業を営み、吉田船長もこの大島で育った。土地柄、幼い頃から釣りに親しみ、串本という場所の魚の豊富さもよく知っている。
 「こんなに魚が多いのにもったいないですよね」という考えから、独立してカセ業を始めるようになったとか。そして、若いからこそ強みとなるのが、ボートエギングなどの若い釣り人が好む釣りジャンルの営業。現在はカセ釣りのほか、ボートでエギング船も出している。
 ちなみにカセでのマダイ釣りについてコツをうかがうと「マダイ釣りは忍耐です」と即答。フィッシング隼ではカセの移動は釣り人の希望で随時できる。しかし、マダイ釣りは、そのポイントでじっくりとこまめにエサを打ち返して、時合がくるのを待つほうが最終的にはよく釣果をあげているとのこと。
 マダイはもちろん、青物や大型アジそれにこれからはカワハギやアオリイカも非常に面白くなってくるシーズン。若手船長の案内でいろいろなターゲットを釣ってみませんか。

 ■和歌山・串本町大島
 フィッシング隼(tel:0735-65-0898)



vol.21 【海恭丸】京都・京丹後浅茂川漁港 中島恭信船長

口を開けば冗談まじりにアドバイス
こまめな場所移動で釣り人に慕われる    
               
 

081007kaikyosencho.JPG        船長が口を開くたびに船上が楽しい雰囲気にかわる。そんな船長が京丹後・浅茂川漁港から出港する海恭丸の中島恭信船長だ。海恭丸ではただ今、胴突き仕かけでの五目釣りや天ビン仕かけでのマダイ釣りなど、その日の状況によって1番楽しめそうなターゲットを船長がチョイスしてくれる。
 基本的に船を掛けての釣りなので、釣りが始まると船長は順に釣り人の釣座を回って世間話まじりに釣り方などをレクチャーしてくれる。
 竿が曲がると「それは外道と違うか?」と、本命のマダイやメダイであることを分かったうえで、白い歯を見せる。しかしその手にはしっかりとタモが...。
 釣れない釣り人がいると、じっとその横に立つ。時々、的確なアドバイスを送りながら、釣らせてくれる時も冗談まじりに笑顔で「アハハハッ」という声が絶えない。冗談を話すのが好きなのだ。
 ただ、アタリが遠のいたり、食いが悪ければ非常にこまめに船を動かしてくれる。乗船者が釣っているのを見ながら、状況判断をしているのだ。この辺りも常連から「よく釣らせてくれる船長」として慕われているゆえんかもしれない。
 カメラを向けると「笑顔は苦手なんよ」と言いながらまた笑ってくれた。

 ■京丹後・浅茂川漁港
 海恭丸(tel:0772-72-3643)



vol.20 【糸川渡船】三重・賀田湾曽根 糸川文也船長

釣らせたい一心で真剣勝負!
つい無口になってしまうことも... 081002itokawasencho.JPG 
              
 

        「タナは42m。はいやって」。朝から無口なやり取りが続いたあと、釣りに入ってもその状況だけを端的に伝える。なんと無口な船長なのだろうと思って、操舵室に入ると、実は冗談まじりに非常に楽しい会話ができる。
 話をしている内に分かったのだが、早朝の時合は大ダイの出る確率が高い。しかし、大ダイを狙うには操船とタナの設定が非常に微妙なのだ。1、2mのタナの狂いが釣果を左右することもある、と糸川渡船の糸川文也船長は言う。そんな状況だから、船長は釣り人に釣らせたい一心で、自分も真剣勝負を演じているのだ。
 そんな時合が去り、ごく普通に流し釣りが始まると、糸川船長に笑顔が戻ってくる。
 ただ、ペラペラと話すタイプではなく、非常にまじめさが伺える話が多いのも事実。何よりも釣り人のためを思って、真剣になっているようなイメージだ。
 ちなみにお父さんはカセ、筏の渡しをしており、界隈では生き字引のような存在。話を聞くといつまでもいろいろな海のことを教えてくれる。そんなお父さんからの知識に真剣な毎日の釣りで蓄えた釣りの知識を合わせれば、これほど釣り人にとって強い味方はいない!?

 ■三重・賀田湾曽根
 糸川渡船(tel:090-3303-7397)



vol.19 【みふじ丸】和歌山・田辺目良港 田中敏彦船長

優しさの中にこだわりあり
年中イサギ一筋の人気船長 
            
 

080922mihujisencho.JPG    一度釣りに訪れるとすぐに仲よくなってしまう船長がいる。2度目に遠目で船長からこちらを見つけて大きな動作でリールを巻く仕草をしながら「よう釣りいってますねえ。記事見てますよ」と笑いながら元気に話しかけてくれる。そんなきさくな船長が和歌山・田辺目良港から出港するみふじ丸の田中敏彦船長だ。
 船に乗ると「●●さんはこっち。▲▲さんはここでやるからマキエはここに置いとくよ」という具合に、てきぱきと釣り人の釣座までセッティングしてくれる。
 釣ったイサギもどんどん外しては船の水槽へ。とにかく気配りは抜群。少し釣れないと微妙に船を移動するなど、釣り人の考えていることが分かるかのように行動する。まさに親切ていねいを地でいく船長なのだ。
 そんな田中船長のこだわりがイサギ。冬場の厳寒期はもちろん、マダイやタチウオの好機がやってきても田中船長はイサギを釣りに走る。イサギ釣りがめっぽう好きで、イサギを釣らせればこの界隈でも屈指の腕と言われるほど。
 そんなこだわりは釣果を分ける場面でも出てくる。1グループの釣り人は必ず1つの船槽に生かして入れる。釣りが終われば釣り人は少し離れた田中船長の自宅へ。その間に1尾ずつを締めて、グループごとに分けて自宅へ持ち帰る。持ち帰ったイサギはすべて船長が人数で等分するのだ。
 「不公平がないようにワシがやるんです。大きさも不公平がないようにしてますよ」と話すほどきっちりとしている。釣り人の中にはクーラーを渡してそのまま、すぐ近くの風呂へ行き、さっぱりして帰った時には自分のクーラーにはきちんと氷詰めのイサギが...という人も多いほどなのだ。

 ■和歌山・田辺目良港
 みふじ丸(tel:0739-22-4843)



vol.18 【江沼渡船】兵庫・姫路木場港 江沼武夫船長

ひょうひょうとしていて憎めない性格から
常連から親しみを込めて「しゃあない船長やで」 
            

 

                                                             
080916enumasencho.jpg     「こないだなあ、排水ポンプのスイッチ入れ忘れて船の中が水浸しになってまった」なんて災難にあったネタを会うたびに口にするのが姫路木場港から出船する江沼渡船の江沼武夫船長。
 しかし、常連曰く「それは災難じゃなくて自分のミスやろ」なんてことが多いのだそうだ。姫路周辺の言葉使いに関西弁、そして茨城弁がまじった独特の話しぶりが一度聞くと耳から離れない。そんな言葉で自分のミスを面白おかしく話すものだから、釣り人にも非常に親近感を持たれていて、よく船長の横で聞く言葉が「ホンマ、しゃあない船長やで」。
 それでも人のよさはバツグン。家島諸島への磯渡しのついでにペンションなどに荷物を運んで上げたりと、地元の人たちとも仲よく、船のトラブルなどがあった時にも地元の人たちがすぐさま駆けつけてくれる。
 釣れなかった日には「スマン、オレが悪いんや」と...。ただいま家島諸島ではアオリイカが爆釣中。週末ともなるとエギンガーで賑わうのだが、釣りをしない船長でも釣り人との対話を欠かさないから、1人1人にアドバイスもできる。一度訪れてみるとすぐに船長の性格が理解できるだろう。

 ■兵庫・姫路木場港
 江沼渡船(tel:079-245-4943)



vol.17 【すみや渡船】福井・西小川 角谷幸夫船長

その時にいい磯へ上げるのが船長の役目
気配り抜群で釣り人の注文にも笑顔で対応 
             

 

                                         
080911sumiyasencho.JPG                    「エッ、2人ずつ分かれて2台でね。はい用意しときますわ」携帯電話で釣り人の予約を受けるすみや渡船の角谷幸夫船長。4人乗っても十分大きな筏だが、そんな釣り人の注文も文句言わずにかなえてくれる。
 「いろいろとある渡船店の中からウチを選んで来てくれるんやから少々の無理は聞きますよ」と話してくれた。ここは小浜市街から車で20分ほどにある西小川。すみや渡船はここで筏と磯渡しを営む。
 朝、あいさつを交わした瞬間から非常に腰が低くて、こちらが恐縮してしまうほどのていねいな話し方が印象的だった。だが、釣りの話となると完全に目つきがかわる。磯渡しの際にも、上がった磯の周囲の形状などをこと細かに説明してから去っていく。見回り時でも直接会話をして、調子を聞いてくれる。そんな気配りがあるから、時おり冗談で言い合いになるような慣れた常連さんも多い。
 今年はエギングのアオリイカが絶好調。渡船の合間に船からのエギングに没頭し、その釣れ方から磯上がりしてエギングをする釣り人にアドバイスを送ることも...。
 「とにかくその時にいい磯へ釣り人を上げることが私の役目。そこからは頑張ってちょーだいってところかな」と笑顔で話す角谷船長だ。

 ■福井・西小川
 すみや渡船(tel:0770-52-3550)



vol.16 【理沙丸】和歌山・御坊日高川尻 山村藤雄船長

自分の好きな釣りから今も「ウキ流し釣り専門」
今では若手釣り師が船のウキ釣りを学びにくる 
            

 

                                          
080908risamarusencho.JPG                     「釣りが好きでね。みなべやすさみの磯なんかによく行ってましたよ。磯のフカセ釣りが好きだったから船でもウキ釣りなんですよ」と話すのは和歌山・御坊市の日高川左岸から出港する理沙丸の山村藤雄船長だ。
 地元、御坊生まれの御坊育ち。いろいろな職業をしたが、理沙丸を始めて10年が経つ。好きだった自分の釣りから船釣りをやりだした時もウキ釣りが好きで、現在も「ウキ釣り専門」の看板だ。
 自分が好きな釣りだけにこだわりも多い。竿、手釣りともに天ビンでの釣りが多いこの方面でウキ釣り専門の看板を掲げるのは、ウキ釣りの魅力に取り憑かれているから。
 「ウキ釣りの魅力は、タナの取り方と視覚に訴える部分」と話す。タナ取りはその日のポイント、状況を踏まえて、設定したタナからエサの取られ方、魚の食い方から少しずつ微調整をして、ちょうどよいタナを探す。そんな推理ゲームが非常に面白いというのだ。また、長さ1mもあるような棒ウキがゆったりと流れていき、ポイントにさしかかるといきなりズボッと消える。そんなシーンを見ると大興奮なのだ。
 そしてウキ釣りは遠くを眺める釣り。そのためか船長は老眼にもならず目はすこぶるよいとか。普段、パソコン画面とにらめっこしている都会の仕事人には非常によいストレス解消と目の運動になるというのだ。
 「理沙丸」の名前は身体をこわして入院している時に、船の名前を決めなければならず、お見舞いに来た孫の名前を付けたそうだ。 「難しいとか、道具がないと言わずに気軽に来てみてください。道具などは船にあるので、いつでも貸し出しもできるし、面白いと思ったら道具を揃えればいいんですから」と話す山村船長の周りには、ウキ釣りを学びにくる若手釣り師も多いのだ。

 ■和歌山・御坊日高川尻
  理沙丸(tel:0738-22-6662)



vol.15 【いきつき丸】福井・小浜旧港 金子功船長

きさくでな常連さんが集まるのは船長の人柄!?
とにかく楽しく釣れるものを釣ってもらう 
           

 

                                           
080902ikitukisencho.JPG                      「せっかく釣りにきてるんやもんね。もちろん本命はあるけど、その時に釣れるものを釣ってもらって楽しく釣りが終わればいいですね」とひょうひょうと話すのは小浜旧港から出船するいきつき丸の金子功船長。
 京都市内に住んでいる金子船長は出船日には小浜にやってくる。出船が続く時のために小浜に部屋を借りているのだ。常連さんは大阪、京都、滋賀、そして地元からと幅広い地域からやってくる。その常連が口を揃えて言うのは「この船長はよく釣らせてくれる」という話。
 常連や船長と一緒に話をしていても、昔話からよく釣れた話などが次々に飛びだしてくる。それが船長の言う「釣れるものを楽しく釣る」ということなのだ。
 釣っている時にはトモの釣座の後ろでイスに座っているかと思えば、次の瞬間にはヘ先で釣り人と話をしている。非常に親近感を覚える船長なので、一度訪れてみると常連になった気分だ。
 船長本人は現在も遊漁船のかたわら、工務店を営む一級建築士の肩書きを持つ。本業のほかには自分の船はもちろん、同じ港内の船を修理したり、改造したり...。京都からやってくる金子船長がそんなことを頼まれるのも親しみやすい人柄がなせることなのでは。

 ■福井・小浜旧港
  いきつき丸(tel:075-391-5867)



vol.14 【栄航丸】京都・宮津港 田中幸彦船長

家族でも楽しめる乗合船を目指して
脱サラするなら宮津で船長になる! 
          

 

                                            
080827eikomarusencho.JPG                  「昨年、クルーザーを改造して就航したのがこの栄航丸なんですよ」と話してくれた栄航丸の田中幸彦船長。釣りの最中は冗談もまじえて釣り人の後ろにどっかと座り、アドバイス半分、冷やかし半分で船上を盛り上げてくれる。
 そんな田中船長は元々大阪で営業の仕事をしていたが、この宮津にモーターボートを置き、しょっちゅう釣りに来ていたのだ。
 そんなおり、「自分に何か仕事ができるのか」と言う自問に営業なら場所を選ばずどこでもできる。しかし、脱サラして何か仕事を始めるならこの宮津で船釣りをするしかない...という答えにたどり着いた。
 そして始めた栄航丸は当初の漁船から昨年、クルーザーの出物があったのを購入して改造した。クルーザーの名残はコクピット前にあるカーペット敷きのキャビンにもある。きれいなトイレは女性専用として設置。
 「女性もお子さんも家族で楽しんでもらいたい」と話す田中船長だけに、安全面には非常に気を使う。ほかの船が出ていても、波が高いと判断すれば出船を取りやめることも...。
 「船に酔った人が出たら楽しくないじゃないですか。皆が楽しく納竿まで釣りができるのがいいですね」とも。

 ■京都・宮津港
 栄航丸(tel:0772-42-7100)



vol.13 【岩崎渡船】京都・舞鶴野原 岩崎弥太郎船長

止めどなく出てくる話はバラエティーに富む
エギングへのこだわりは釣り人を超える? 
         

 

                                             
080819iwasakisencho.JPG             早朝の舞鶴・野原は岩崎渡船の待合所。テレビでニュースを見る岩崎弥太郎船長に「おはようございます」と声を掛けると「あっ、おはようさん」と言ったきり...。時おりニュースの内容を話しかけてくれるが何とも口数の少ない船長というのが第一印象だ。
 ところが船に出船の頃になると声の張りがかわってくる。「さあ、行こか」「昨日は沖ヒンデでよう釣れてたよ。そこに上がってみるか?」と言った具合だ。
 さらに帰港後、話をするといろいろな面白い話が止めどなく出てくる。時事的なニュースのこと、野原の釣りのこと、釣具に関することなどなど。京都の遊び場までよく知っているのには驚かされるが、興味のあることにはどんどん突っ込んでいくタイプなのは、エギングへの凝り方からも分かる。
 釣り人を磯へ渡した後、自らも船からエギングを楽しむ。エギやロッド、リール、ラインなどへのこだわりも、私たち釣り人以上なのだ。そんな話を冗談まじりに話してくれるから、帰港後は時間が経つのを忘れる。
 冬場は磯渡しが休みの代わりに、カニ料理が売りの宿がある。舞鶴方面まで送迎してくれる宿は宿泊はもちろん、日帰りの宴会などで賑わうのだ。
 ただし、これからは秋の好シーズン。アオリイカにグレなどの魚影はオリガミ付き。屈託のない船長との会話を求めてたくさんの磯釣りファンが訪れるのだろう。

 ■京都・舞鶴野原
 岩崎渡船(tel:0773-67-0727)

 

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