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ヤエン釣法...岡啓太郎さんに密着

  • 更新: 2009年4月 9日 14:41

手持ちのメリットを最大限に生かし、とにかく広範囲を探る
イカ、生きアジの状態を察知してムダのない取り込みをしよう

IMG_0217.jpg 「ほら、今、抱いたの分かった。アジの骨をかじるゴリゴリした感触が分かるよ」と満面の笑顔でコチラを向いた岡啓太郎氏。3月21日、場所は和歌山・市江崎の磯「アナノウミのナカシマ」。前日のウネリが残る磯の上で最初に狙ったのは湾内向きにあるシモリ回り。すでに産卵の準備のため湾内の浅場に寄っているであろうアオリイカを狙って湾内向きにアジを投入したのだ。



 1投目から、アジの腹にはオモリが付いている。シモリ回りに生えている海藻にアジを近づかせる。すると、アジが海藻の間に入り込む。それを引きずり出して止める。止めたかと思えば小さく竿を2回シャクった。
 なぜシャクるのか。アジを寄せてきたところで足元でわざとシャクって見せてくれた。アジが引っ張られてヒラを打つのだ。その瞬間にイカがたまらず抱いてくるのだと言う。アタリがなければ少し浮かせて糸を出し、再び泳がせるが、また止めては引き戻す。海底の起伏や海藻の生え方、潮の流れ、または近くにイカがいるかどうかなど、アジの動きを通して状況を把握するのだ。そして釣りの組み立て、推理ゲームが始まる。


海藻の生えたシモリ回り、潮がごくゆっくりと流れる潮筋...。ここと決めた場所を中心に攻めるが、アタリがあればその日イカが乗ってくるパターンが分かる。そのために竿受けは使わず手持ちで常にアジとの対話をするのだ。まさに攻めのヤエン釣り。
IMG_0317.jpg そんな説明を聞いていたところで、竿に表れるアジの動きが急に大きくシャープになった。「何かに怯えてるよ。乗るで」と小さくシャクった竿を止めた瞬間、アジの動きが竿に表れなくなった。イカが乗ったのだ。記者には分からなかったが、岡氏にはイカが腕を伸ばしてアジを抱いた瞬間も分かったと言う。
 で、そこからが面白い。ゆっくりと引っ張り、竿を戻すとススッと早く戻る。数秒して再び軽く引き戻すと今度はゆっくりと戻る。実はこれ、最初にイカがアジを抱くのは長く伸ばした触腕で横から。それを引いて緩めてやると、アジの方向をかえて頭から食べようとする体勢に入るのだ。竿が早く戻るのはイカがアジを抱き直しているから。

 アジを「縦」に抱けばヤエンが掛かる。だからこの時点でヤエン投入OKなのだ。ヤエン投入に抱いてからの時間は関係ないと言う。しかし、違和感を与えないようにヤエンの滑らせ方には細心の注意を払う。
 少し角度をつけて滑らせたかと思えば、竿を寝かせてスピードを調整する。糸を張った状態から緩めるとヤエンの重みで少し糸が張る。これはまだヤエンが到着していない状態。ヤエンがイカに到着すると張った糸を緩めれば、そのまま糸が緩むのだ。ヤエン到着がこんなに簡単に分かるなんて。
 で、ヤエンは到着しても距離がある時には、強引には寄せない。ゆっくりと寄せて、ほかのイカに警戒心を与えないためだ。寄せ方も「なるほど」と手をたたいてしまう理論があった。
 
寄せる時には体の回転でごくゆっくりと竿を引き、水平から斜め上に引く。で、竿を後方まで引いたらゆっくりとリールを巻きながら竿をまた水平に。その繰り返しで寄せると、イカの体は徐々に腕が上に向き、竿を戻すとイカは水平になる。要はイカの体をジグザグにしながら浮かせるのだ。そしてもし、イカが抵抗すれば竿を水平に寝かせることで、深く潜らせない。
 最終的には竿の胴で乗せるようにゆっくりとアワセを入れるが、当日見ている限りでは、アワセを入れてもイカが抵抗せず、その重量感がズーンと竿に乗ってくるだけ。
 「イカを怒らせずに取る」と言う意味が、当日1パイ目の胴長27、28?を釣ったところで分かった。当日は午前中に2人で4ハイのイカを取り込んだ。


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 「今のヤエン釣りの大半は自由にアジを泳がせてイカとの出合いを待つ釣り。僕の釣りはどちらかと言えばエギングで広範囲に探るのと同じで、違いはエサが生きたアジであると言うこと。手持ちで泳がせると、アジは海底のいろいろな状況を教えてくれるんですよ」と岡氏は締めくくった。
 すべてはゲーム性と言う観点から、待つのではなくいろいろと考えて、自分から仕掛けていく釣り。うーん。考えるだけでやってみたくなる釣法だ。
 「オモリは浮きたがるアジを沈めるだけにあらず」と言うのが岡氏のオモリ使い。オモリは号数をかえてかなりの数を常に持っている。取材当日もゼイゴに針を打ったらすぐ、オモリを腹ビレの前に打っていた。その理由は、アジを「止めたい場所で止めるため」。オモリで沈むアジは海藻がある場所では海藻の中に入り込んだり、糸を巻いたり。しかし、手持ちでの泳がせ釣りでは、藻に潜る感触が竿先を通じてはっきりと伝わってくる。そこで少し引いてアジを浮かせ、海藻の上で止めてやる。海藻の上がアオリイカが抱くポイントのひとつなのだ。アジを自由に泳がせて偶然の出合いを探すよりも、「ココで抱く」と言う、自分の組み立てで乗せるからこそ、ゲーム性が高く面白いのだ。 


身体全体を回転させて寄せるのがコツ
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岡氏のやり取りではアオリがほとんど暴れないのにびっくり。岡氏いわく「手で竿を引くのではなく、体全体を回転させてゆっくりと引く」。その証拠に同行の松浦氏が、大暴れするアオリとのやり取りの最中、岡氏が手を添えて寄せるとイカがおとなしくなる。岡氏が手を放すとまたグーンとジェット噴射が...。まるでマジックのようだ。ジェット噴射で暴れまくるアオリとのやり取りにヒヤヒヤの皆さん、「体の回転でごくゆっくり」ですよ。

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